WISE・WISE tools

作り手をたずねて

WISE・WISE×KIGI×伝統工芸 UMEBOSI

UMEBOSIプロジェクト背景

伝統工芸が日々の暮らしの中でどんどん使われるようになって欲しい。
ワイス・ワイスはそんな思いを胸にベーシックな暮らしの道具を紹介してきました。
18年前の創業当時に比べ、日本のものづくりへの関心は国内外を問わず深まっていますが、後継者不足や使い手への普及など課題は残されています。
そんな中、私達が出会ったのがキギのお二人でした。
“地域の伝統・素材を大切にしたものづくり”というワイス・ワイスのスタイルに共感いただき、意気投合。更にD-BROSさん※ も巻き込み、若い世代も含めたより多くの人たちに伝統工芸を届けるべくプロジェクトがスタートしました。

※D-BROS グラフィックデザインを基軸に、ビニールのフラワーベースなど様々な商品を提案し続けるプロダクトブランド

キギ 植原亮輔/渡邉良重

企業やブランド、ショップなどのアートディレクション、商品デザインなどを手掛ける。グラフィックデザイン会社のDRAFTを経て、2012年にキギを設立。
http://www.ki-gi.com/

KIKOF

Mother Lake Products Projectの活動から生まれた、キギと滋賀県の琵琶湖周辺を拠点として活動する伝統工芸の技術者たちが共同開発をするプロダクトブランド。
http://www.kikof.jp/

日本に潜在する美意識を再発見したい

日本各地の産地と連携するキギのお二人は、伝統工芸に対しどのような印象をお持ちなのでしょうか。
「日本ではありとあらゆるところに産地があり職人さんがいて、そのことはとてもとてもすごいことだなと。国内はもとより海外でも様々な人が注目をしています(渡邉)」。
20世紀以降、新素材の普及や大量生産により生活道具は多様になり、安価で容易に手に入るようになりました。現代は個人が意思を持ってモノを選択できる時代です。
「小泉八雲※  が見た明治の日本は本当に美しかったのだろうなと。物質的に貧しくてもそこに美があった。現代はモノが溢れ過ぎていて、その分“美”も埋もれてしまっていて残念です(渡邉)」。
伝統工芸をデザインの視点で見るとどうでしょうか。「ひとつひとつに意味がある。色、形、作り方、それが面白さになっています。デザインしようとしてそうなったのではなく、事情があってこうなった、というデザイン。
これからは、職人さんとコミュニケーションしながらデザインをしていきたいですね(植原)」。

※小泉八雲 (ラフカディオ・ハーン) ギリシャ出身の英文学者・作家。明治23年(1890)に来日、日本文化を研究し海外へ紹介した。

伝統工芸にふりかける“UMEBOSI”の魔法

キギのお二人が伝統工芸にかける魔法はその名も“UMEBOSI”。熟練の技術が刻み込まれた“職人の手”を連想させるウメボシのしわ。日本の太陽のような“赤いマル”にのせて、未来の伝統工芸を発信していきます。
そもそも、「死ぬ前に食べたいものは、ウメボシと白いご飯!」というほど大のウメボシ好きの渡邉さん。
更にお二人ともおっしゃられるのが“日の丸”のデザインとしての素晴らしさです。
「世界中の国旗のデザインの中で何が好きかと聞かれれば日の丸。同じ比率(四角形)の中で何をデザインするかというと、すごくミニマルなものでは四角や三角、いくつかあります。その中でも丸は最もミニマルな形。
色々なものを想像させるというところがすごく良い(植原)」。この“赤いマル”を入り口に様々な遊びが展開していきます。
「国旗のマルをモチーフに遊んだ、というストーリー。『日の丸』ではなく『ウメボシ』だし、『ウメボシ』と言いながらも『ウサギ』だったり、、(植原)」と、イメージがどんどん膨らみます。

大漁旗の制作も手掛ける京都の手捺染メーカーによる風呂敷は、UMEBOSIのデザインを表現する、力強くて鮮やかな発色にこだわったもの。
商品詳細

米沢織の<細番手・先染め>の特長を活かした巧みな技術で織り上げた生地。印刷にはない表情の豊かな織生地で、がま口ポーチとトートバッグを展開します。
ポーチ商品詳細
バック商品詳細

江戸切子の伝統技法「花切子」を用いて、サンドブラストや漆での彩色など新しい技術を組み合わせ、誕生した現代の切子グラス。
UMEBOSI江戸切子 vol.1
UMEBOSI江戸切子 vol.2

極細の糸でガーゼ調に優しく織り上げたシルクウールストールは、空気をはらみ、軽くやわらかくふんわりと体をまとってくれるストールです。

ウメボシは、ひとつひとつ洗い、塩につけ、天日に干し、紫蘇とつける。そうやって人の手で作られてきました。
昔から伝わる手法で、今も変わらずつくられ続ける。 日本の誰もが知っていて、いつもあなたの身近にある ウメボシは、食べられる伝統工芸みたいな存在。
日本の伝統工芸に現代の息吹をふきこんで 今日の生活につなげる新しい取り組みに「 UMEBOSI 」と名づけました。

江戸切子の工房をたずねて

江戸切子を作られている「廣田硝子」さん、「堀口硝子」「堀口切子」さんの工房にお伺いさせていただきました。

グラスのデザインスケッチ

01 グラスのデザインスケッチ
企画当初の「UMEBOSI」江戸切子グラスのデザインスケッチ。


デザインやアイディアが次々と

02 デザインやアイディアが次々と
打ち合わせ中にも、新しいデザインやアイディアが次々と生まれていきます。


江戸切子の制作工程

03 江戸切子の制作工程
東京メトロの広告でもおなじみの「すみだ江戸切子館」では、江戸切子の制作工程が紹介されています。


検証

04 検証
職人さんと直接お話しして、どんなことができるのか検証します。


体験

05 体験
切子作業を実際に体験。薄い硝子を削って、模様を刻みます。


掘り出し物

06 掘り出し物
工房の中で、キギさんの心に響く思わぬ掘り出し物に出会うことも!今後の展開も楽しみです。

キギさんと江戸切子の工房をたずねて
キギさんと工房を訪ねて、1番驚いたことはその直感の早さです。
打ち合わせの途中で、植原さんがサッサッと新しい商品のデザインを描かれたり、渡邉さんがサンプル品から新しい企画を提案されたり‥とてもワクワクする時間を体験させていただきました!
WISE・WISE tools 神口

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